Lucid Virtuは使えるのか?

ひとつ前のエントリーで書いた外部GPUをCPU内蔵GPUでパワーアップさせるという「Lucid Virtu MVP」、購入候補で書いたIntelのマザーでは対応しているかどうかよくわかりません。というのも、Intelのサイトによると一連のZ77/H77マザーの対応表には「Lucid Virtu Universal」と書かれているのです。これって従来の切り替え機能であるVirtuの対応範囲を広げただけのもののような感じです。もう少し調査が必要です。

ところで、H67マザーでもそのLucid Virtuが使えることをすっかり忘れ、まだ試していませんでした。Lucid Virtuのソフトウェアをインストールすることで、通常は消費電力重視でSandy Bridge内蔵GPUを使用し、ゲームなどの対応アプリを起動させたときに自動的に外部GPUに切り替わるようになります(iモード)。またその逆の通常は外部GPU、エンコードソフトはIntel Quick Sync Videoを利用する、ということもできます(dモード)。これは内蔵・外部どちらにディスプレイをつなぐかで自動的にモードが切り替わります。もちろん目的は後者です。

Premiere ProやAfter Effectsに使用しているサードパーティ製プラグインには、NIVIDIAのGPUがないと動かないものがあるので、外部GPUは必須です。このため、いままではQuick Sync Videoを試す機会はありませんでした。画質はともかく、速さを求めるときにはあってもいいかなということでVirtuを試してみましょう。

Lucid VirtuのソフトウェアはIntelのマザーボードのダウンロードリンクにもありましたが、開発元LucidLogixのサイトから最新版がダウンロードできました。インストール前にマザーボードのBIOSの設定で内蔵GPUと外部GPUのどちらも有効になるようにしておきます。

デバイスマネージャーに2つのグラフィックアダプターが出現

デバイスマネージャーに2つのグラフィックアダプターが出現

その後ソフトウェアをインストールすると通知領域に”L”のアイコンが現れているので、それをダブルクリックすると設定ができます。

iモードでの設定画面

iモードでの設定画面

設定画面のこのタブではVirtuのON/OFF、有効な時に出るVirtuロゴの位置などの設定ができます。ディスプレイは外部(Quadro 2000)につなげているdモードなので、OFFにすると内蔵GPUがグレーアウトします。

そしてここが肝心なのですが、Virtuが動作するのは2番目のタブに登録したアプリケーションのみなのです。最初から登録されているのはMedia ConverterとMedia Espressoの2種類のエンコーダーだけです。

dモード時の初期登録アプリケーション

dモード時の初期登録アプリケーション

いずれも私は使っていないので、下にあるAddボタンを押してよく使うTMPGEnc Video Mastering Works 5を追加してみます。exeファイルを選べばいいのですが、本体とエンコーダーと2つ追加してみます。

アプリケーションを追加登録

アプリケーションを追加登録

選択肢が増えた

選択肢が増えた

これでTMPGEnc Video Mastering Works 5を起動してみます。適当にファイルを放り込み、MPEG4 AVCで出力する設定を開きます。

VMW5のエンコーダー選択ボックス

VMW5のエンコーダー選択ボックス

エンコーダーにIntel Media SDK Hardwareが追加されています。画質はともかく、速いという噂。喜んでエンコード開始! ところが!!

エラー発生!

エラー発生!

エラーでエンコードを始めてくれません。もうすこし検証を進めるつもりですが、どうやらこのTMPGEnc Video Mastering Works 5はVirtuに対応していないということのようです。

手っ取り早くVirtuを確認する手段として、最初からリストにあったMedia Converterを体験版としてインストール。登録リストはVer.7のものだったので、インストールしたVer.7.5の実行ファイルに置き換えます。そして起動。シンプルでわかりやすいソフトです。こんな画面。

Media Converter

Media Converter

エンコーダーの選択ボックスからIntel Quick Synk Videoを選ぶと内蔵GPUでエンコードしてくれるはず。

ハードウェアエンコーダーの選択

ハードウェアエンコーダーの選択

1280×720の6分ほどのMP4ファイルを640×360のMP4に変換してみました。結果はこのとおり。

計測結果

計測結果

このMedia Converter自体のエンコード速度がかなり速いのに驚きましたが、QSVはそれでも2割増の速度が出ています。CPU負荷が少ないのも特徴です。出来上がりのファイルサイズは何度やってもこの差が出ます。これでVirtuによって外部GPUを接続していても内蔵GPUによるハードウェアエンコードがされていることがわかりました。

通常Premiere ProからAdobe Media Encorderで出力、これはMercury Playback Engineのハードウェア処理が使えるようになったため速度アップしたし、リサイズやDVDエンコード時はTMPGEnc Video Mastering Works 5を使っている環境では今回に実験の通りQSVの恩恵を受けられませんが、何かのときに使えるかもしれません。あ、そういえばIntelがPremiere用Media SDKプラグインをリリースしていたな…

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Lucid Virtuは使えるのか? への6件のフィードバック

  1. trockenab のコメント:

    このページは勉強になります、ありがとうございます。
    当方はまだpremiere Pro cs5を使っていますが、この欄を見てcs6 にアップする気になってきました。手ぶれ補正の復活とか、同一トラックにモノラルとステレオの配置などカタログでは無視している情報が素人の私にとってはメリットを感じます。これではPremiere Proはアマチュアには売れないかもしれません。

    4月10日のLucid Virtuは使えるのか?について当方とは少し事情が違うので投稿しました。
    私のPCではTMPGEnc Video Mastering Works 5及びTMPGEnc Authoring works 5でもエラーメッセージは出ません。エンコードのプレビューやシュミレーションの画面でLucid Virtuのログマークが出てきエンコード完了します。
    私のマザーボードはASUS P8 Z68-V Proです。
    マザーボードの違いによる問題ではと思いますが、如何でしょうか。
    Premiere ProのエンコードではLucid Virtuのログマーク出てこないので対応しているのかどうかわかりません。

    • maktak のコメント:

      trockenabさん、ご覧いただきありがとうございます。
      Premiere Pro CS6はCS5に比べると相当使いやすくなっていると実感します。新しくなったメディアブラウザもいいですし、プログラムモニターの映像の全画面表示も手放せないものになりました。オーディオの扱いの改良など、細かいことをこれからもここに書いていこうと思っています。

      trockenabさんのマザーボードはZ68なんですね。私のはH67なので、Lucid Virtuの動作が違うのはtrockenabさんのご指摘通り、チップセットによる制限かなにかなのでしょう。私のところでは全体的に見るとクライアントへのプレビューのためのWMV出力がもっとも多く、どうしてもCPUエンコードとなってしまうため、その後Lucid Virtuの追加テストは行なっていません。面白い技術なので興味はあるんですけどね。

  2. trockenab のコメント:

    前回、「Premiere ProのエンコードではLucid Virtuのロゴマーク出てこないので対応しているのかどうかわかりません」と述べましたが、パソコンが故障してCMOSクリアしたらPremiere Pro cs5のプログラムモニターの左上にVirtuのロゴマークが出てきました。
    ほんとうにびっくりしました。従って普段は内蔵GPUを使って、Premiere Pro CS5を使う時だけGeFoce GTX570に切り替わるようになりました。本当に便利です。
    VIRTUのバージョンは最新のvirtu 1.2 114です。初期版1.2 102ではダメでした。
    なぜCMOSクリアしたらVIRTUが使えるようになっったのか理由はわかりません。
    Premiere Pro cs6でVIRTUが使えるかどうかわかりませんが、premiere Pro cs5ではVIRTUが確実に使えることを報告いたします。

    • maktak のコメント:

      なんと、Premiere ProにもVIRTUが効くのですね。
      これは貴重な情報をありがとうございます。
      当方でもVIRTUは同じ1.2.114になっているのですが、外部GPU優先となるdモードしか試していなかったのです。

      そこでディスプレイのコネクタを内蔵GPU側に挿してみました。これでプライマリモニターが内蔵GPUとなります。
      VIRTUコントロールパネルのアプリのところにはPremiere Pro CS6を追加しています。
      結果は残念なことにPremiere Pro CS6では外部GPUに切り替わってくれないようです。プログラムモニターは真っ黒。ふと気がついたのはMPEが有効になっていることです。
      プロジェクト→プロジェクト設定→一般でレンダラーをGPU高速処理(CUDA)からソフトウェア処理に変更するとプログラムモニターに出画しました。
      しかしMPEが有効になっていないため、ちょっと複雑なことになるとなにかと再生がひっかかり、快適とは程遠い状況です。念のためIntelのグラフィックドライバーを最新版に更新しましたが、この状況に変化ありません。
      おそらく環境の違いでうまくいかないのだと思います。trockenabさんの環境ではCS6にしても同じようにいけるのではないかと予想します。

      しかし新たな収穫もありました。気を取り直してモニターを外部GPUに戻し、VIRTUを有効にしてTMPGEnc Video Mastering Works 5でIntel Media SDKハードウエア設定にしてMP4エンコードをテストしたところ、4月10日に報告したエラーメッセージは出ずに、無事エンコードが完了したのです。X.264で1分30秒のところ、Intel QSVでは40秒で終了しました。これは今後使えそうです。

  3. trockenab のコメント:

    Premiere Pro CS6の体験版でVIRTUを試したことがあります。
    その時はまだ、Premiere Pro CS5からプロジェクト設定で外部GPUによるGPU高速処理にしても、音声は出るが動画の画面は動きませんでした。裏技で入れたGeFoce GTX570が原因かと思っていました。
    体験版Premiere Pro CS6ならGeFoce GTX570を正式対応しているので試してみました。その時の状況をノートに不具合に記載しておけばよかったのですが、確か、外部GPUに切り替わってくれなかったように記憶しています。
    今回CMOSクリアによりPremiere Pro CS5でGeFoce GTX570まで完全に機能して、VIRTUも機能するようになったので、再度、Premiere Pro CS6でも試してみたいのですが、体験版は1度しか使えません。Premiere Pro CS6.5の体験版が出れば再度試してみます。

    • maktak のコメント:

      trockenabさん
      コメントありがとうございます。
      なるほど、今回の私が試した状況と似ていますね。私の場合は画面が動かないのではなく、画面は真っ黒になっているという状況でしたが。
      いずれにしろCS5でVIRTUが使用できているのなら、QSV対応CPUのおいしいところをうまく利用されているわけで、うらやましいですね。

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